VaultPress™を利用して別のサイトに復旧(テスト・一時)サイトを構成する手順
2014/11/22
Vaultpress™を利用してサイトの自動バックアップを行っている場合には、
常にサイトの復旧などに必要なデータがWordPress.com上にバックアップされています。
このバックアップファイルを利用して緊急時にサイトの復旧を行うことに利用できますが、
テスト用のサイトや一時的に異なるドメインに対して、
サイト移転を行うような場合にも利用することができます。
ここでは別ドメインへサイトデータを移行してリストアする手順についてご紹介します。
この別ドメインに対して同一サイトを構成する利用方法は、
緊急時に別サイトへ一時移転する際にも利用できますが、
クライアントへの納品前にデモドメインに準備したコンテンツを、
本ドメイン側のサイトへデータ移行してサイト公開を行うような場合でも便利です。
使い方次第で月額500円($5)以上の価値を得られるものと思います。
2014/09/04追記
VaultPressでは別の移行サイト(Alternate)を選択した移行において、
テストサイトを構成できるといった記述があり、テスト用のドメインに対して移行を行ってみました。
その結果、JetPackによるサイト統計がテストサイト側をメインサイトとして認識し、
別の移行サイト(Alternate)側でしかサイト統計が確認できない事態になりました。
その為、JetPackを導入している場合には、
Alternate Site移行の機能を利用されないことを強くお勧めします。
ドメイン名の変更を伴うサーバー移行を目的とした場合に限定したほうがいいと思います。
確認したバージョン
- WordPress: 3.5.1
- JetPack: 2.5.2
バージョンが古いのですが他のプラグインとの互換性を保つために、
現在もこのバージョンを利用しています。
その為、新しいバージョンではこうした症状は出ない恐れはありますが、ご参考まで。
2014/08/22追記
尚、この方法でテストサイトや一時サイトを構成して公開した場合には、
完全なミラーサイトが作成されることになります。
クローラアクセスを排除するようにrobots.txtを設定するか、
URL正規化をミラーサイト側から正規のサイトへ指定されることをお勧めします。
このVaultPressによるバックアップ関係の双方サイトで、
共通の設定でURL正規化を行う方法を以下でご紹介しています。
VaultPressバックアップファイルの確認と保存
VaultPressのプラン契約を行ってサイトを登録しておくと、
Liteプランでは1日に1回のバックアップが行われ、
過去のバックアップを30日分保持しておくことができます。
このバックアップファイルは、VaultPressにログインすることで確認することができます。
バックアップの確認とデータのダウンロードの手順については以下でご紹介しています。
他ドメインへのサイト移行ではバックアップデータのダウンロードを行わず、
VaultPress上に格納されたバックアップデータからそのまま自動リストアを行います。
移行先のWordPressとWordPress用のデータベースの作成を先に行っておきます。
WordPress用の空のデータベース作成
移転先のWordPress用にMySQLでデータベースを作成しておきます。
空のデータベースの作成のみを行っておき、
WordPressの設定ファイル「wp-config.php」に対して、
作成したデータベースへの接続情報を設定するための、接続情報を準備しておきます。
WordPressのセットアップ
WordPressの準備は念のため、
現在運営している既存サイトのWordPressのバージョンと同じバージョンの
WordPressをダウンロードしてアップロードしておきます。
WordPressのダウンロード
WordPressの過去バージョンのアーカイブは以下からダウンロードできます。
WordPressのアップロード
ダウンロードが完了したら、
既存のサイト構成に合わせたディレクトリ構成でWordPressをアップロードします。
/public_html/wp/… などでWordPressを運営している場合には、
移転先のサーバーにも同じように「wp」ディレクトリを作成しWordPressをアップロードします。
設定ファイル(wp-config.php)の準備
WordPressのファイルアップロードを行ってサーバー上に配置したら、
wp-config.phpファイルを準備します。
wp-config.phpの準備
通常のWordPressインストール時と同じように、
「wp-config-sample.php」ファイルをコピーし「wp-config.php」にリネームします。
リネームした「wp-config.php」ファイルを開いて編集します。
wp-config.phpの初期状態例
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 |
<?php /** * WordPress の基本設定 * * このファイルは、MySQL、テーブル接頭辞、秘密鍵、言語、ABSPATH の設定を含みます。 * より詳しい情報は {@link http://wpdocs.sourceforge.jp/wp-config.php_%E3%81%AE%E7%B7%A8%E9%9B%86 * wp-config.php の編集} を参照してください。MySQL の設定情報はホスティング先より入手できます。 * * このファイルはインストール時に wp-config.php 作成ウィザードが利用します。 * ウィザードを介さず、このファイルを "wp-config.php" という名前でコピーして直接編集し値を * 入力してもかまいません。 * * @package WordPress */ // 注意: // Windows の "メモ帳" でこのファイルを編集しないでください ! // 問題なく使えるテキストエディタ // (http://wpdocs.sourceforge.jp/Codex:%E8%AB%87%E8%A9%B1%E5%AE%A4 参照) // を使用し、必ず UTF-8 の BOM なし (UTF-8N) で保存してください。 // ** MySQL 設定 - この情報はホスティング先から入手してください。 ** // /** WordPress のためのデータベース名 */ define('DB_NAME', 'database_name_here'); /** MySQL データベースのユーザー名 */ define('DB_USER', 'username_here'); /** MySQL データベースのパスワード */ define('DB_PASSWORD', 'password_here'); /** MySQL のホスト名 */ define('DB_HOST', 'localhost'); /** データベースのテーブルを作成する際のデータベースの文字セット */ define('DB_CHARSET', 'utf8'); /** データベースの照合順序 (ほとんどの場合変更する必要はありません) */ define('DB_COLLATE', ''); /**#@+ * 認証用ユニークキー * * それぞれを異なるユニーク (一意) な文字列に変更してください。 * {@link https://api.wordpress.org/secret-key/1.1/salt/ WordPress.org の秘密鍵サービス} で自動生成することもできます。 * 後でいつでも変更して、既存のすべての cookie を無効にできます。これにより、すべてのユーザーを強制的に再ログインさせることになります。 * * @since 2.6.0 */ define('AUTH_KEY', 'put your unique phrase here'); define('SECURE_AUTH_KEY', 'put your unique phrase here'); define('LOGGED_IN_KEY', 'put your unique phrase here'); define('NONCE_KEY', 'put your unique phrase here'); define('AUTH_SALT', 'put your unique phrase here'); define('SECURE_AUTH_SALT', 'put your unique phrase here'); define('LOGGED_IN_SALT', 'put your unique phrase here'); define('NONCE_SALT', 'put your unique phrase here'); /**#@-*/ /** * WordPress データベーステーブルの接頭辞 * * それぞれにユニーク (一意) な接頭辞を与えることで一つのデータベースに複数の WordPress を * インストールすることができます。半角英数字と下線のみを使用してください。 */ $table_prefix = 'wp_'; /** * ローカル言語 - このパッケージでは初期値として 'ja' (日本語 UTF-8) が設定されています。 * * WordPress のローカル言語を設定します。設定した言語に対応する MO ファイルが * wp-content/languages にインストールされている必要があります。たとえば de_DE.mo を * wp-content/languages にインストールし WPLANG を 'de_DE' に設定すると、ドイツ語がサポートされます。 */ define('WPLANG', 'ja'); /** * 開発者へ: WordPress デバッグモード * * この値を true にすると、開発中に注意 (notice) を表示します。 * テーマおよびプラグインの開発者には、その開発環境においてこの WP_DEBUG を使用することを強く推奨します。 */ define('WP_DEBUG', false); /* 編集が必要なのはここまでです ! WordPress でブログをお楽しみください。 */ /** Absolute path to the WordPress directory. */ if ( !defined('ABSPATH') ) define('ABSPATH', dirname(__FILE__) . '/'); /** Sets up WordPress vars and included files. */ require_once(ABSPATH . 'wp-settings.php'); |
データベース接続情報の編集
「wp-config.php」ファイルを編集して、
移転先のサーバー用に作成した、MySQLデータベースの接続情報を設定します。
WordPress.org の秘密鍵サービスでユニークキーの取得
「wp-config.php」ファイルに記載されている
WordPress.org の秘密鍵サービス(以下URL)にアクセスし秘密鍵を生成し取得します。
https://api.wordpress.org/secret-key/1.1/salt/
秘密鍵を取得して、「wp-config.php」ファイルに対して貼りつけて設定します。
「wp-config.php」ファイルのアップロード
編集した「wp-config.php」ファイルをサーバーにアップロードします。
WordPress初期化プロセスの実行
ここまで準備できたところで通常のWordPressセットアップ同様に
WordPressのインストールディレクトリにブラウザでアクセスし初期設定を行います。
ただこの初期設定はVaultPressからの設定で上書きされますので、適当でかまいません。
サイト情報などの入力が終わったら[WordPressをインストール]をクリックします。
WordPressのインストールが完了するとインストール完了画面が表示されます。
[ログイン]をクリックしてWordPressダッシュボードにログインします。
ログイン画面で入力したアカウントでログインします。
仮にインストールしたWordPressのダッシュボードが表示されます。
このWordPressはVaultPressのリストアによってすべて上書きされます。
サイトが初期状態で表示されることを念のため確認します。
では、このサイトに対してVaultPressからの移行を行います。
移行元サイトの例
今回、移行元に利用するサイトは以下のサイトを利用しています。
まだ開設から間もなく、アクセスが少ないのでこうしたテストにはもってこいのサイトです^^;
VaultPressからのデータ移行(Alternate Site)
移行先のWordPressの準備ができたら、
VaultPressから移行先のWordPressに対してサイトのデータを移行します。
VaultPressのダッシュボードから移行するサイトの[BUCKUPS]をクリックして開きます。
表示されたバックアップ一覧から復旧に利用するバックアップデータから、
[Restore]をクリックしてリストア対象を選択します。(すべてチェックでOK)
[Prepare Buckup]をクリックしてバックアップデータの準備(生成)を開始します。
バックアップデータの準備が開始され上部のプログレスバーに表示されるようになります。
リストア対象はバックアップ元のサイト(Primary)と別の移行サイト(Alternate)から選択できます。
ここでは[Alternate]をクリックしてサイト情報を指定します。
[Alternate]をクリックするとサイト情報の入力画面が表示されます。
- SiteURL
移行先サイトのURLを指定します。 - Remote Connection
移行先サイトへ接続するプロトコルを選択します。- SSH
- SFTP
- FTP
- Host
FTP接続などに利用するホスト名を指定します。 - Port
FTP接続などでポートを指定する必要がある場合のみ設定します。 - Username
FTP接続などで利用するユーザーアカウントを指定します。 - Password
FTP接続などで利用するユーザーアカウントパスワードを指定します。 - Location of WordPress
インストール済みのWordPressのwp-load.phpファイルのパスを指定します。
尚、SiteURLは実際にアクセスが可能なURLを指定する必要があり、
バックアップ元のドメイン名を指定しての別サーバ移転は行えませんでした。
FTPのみによってファイルのみを転送するわけではなく、
URLとして有効なアクセスが行われますので、
ドメインが振り向けられていないサーバーを指定した際には、404エラーが発生し移行が中断されます。
VaultPress is unable to connect to the specified URL (Unexpected HTTP status 404)
その為、私は同一ドメインを別のサーバーに引っ越す際に、
VaultPressのバックアップファイルを利用して手動で移行を行いました。
FTPアカウントなどを設定して[Browse Files]をクリックすると、
実際に接続が行われ、下部にディレクトリ内のファイル一覧が表示されます。
うまく接続されない場合には何度か[Save Alternate Site]をクリックして、
設定を一旦保存してみることで接続エラーなどのエラー内容が画面で確認できます。
ファイルの一覧からWordPressディレクトリ内の
[wp-load.php]ファイル(ブルー部分)をクリックしてパスを設定します。
すべての設定が完了したら[Save Alternate Site]をクリックします。
代替サイトの設定が保存されます。
リストア先のサイトURLが正しいことを確認して[Restore Now]をクリックします。
リストアではリストア先に指定したWordPressデータが一旦削除され全て上書きされます。
上書きされても構わないサイトであることを十分に注意した上で実行してください。
すぐにリストアが開始されプログレスバーに進捗が表示されます。
リストアが完了すると「RESTORE COMPLETE!」と表示され代替サイトが構成されています。
代替サイトへのアクセス
SiteURLに指定した代替サイトのURLにアクセスを行うと、
以下のとおり元サイトのバックアップ時点の状態でサイトが構成されています。
ウィジェットやプラグインの状態もそのままの構成で代替サイトが構成されます。
サイト内のリンクなどもすべて代替サイトのURLに置き換えられています。
ダッシュボードのログインを行います。
ダッシュボードの状態もしっかりと移行されています。
実際の環境の紹介
実際に以下のサイトへの移行を行っています。
移行元サーバー
移行先サーバー
ご参考になれば幸いです。
さいごに
以上で、VaultPressでバックアップされたファイルを元にした、
テストサイト・一時サイトを構成する流れをご紹介しました。
この方法を利用してワンクリックで現在のドメイン名を指定した引っ越しができたら、
本当に便利だっただろうなと思います。
可能であれば、
バックアップ元のサイト(Primary)を同じドメイン名で、
別サーバーへFTP接続して移行できるようにサービスの刷新をされる事を願います。
WordPressはWordPress Foundation の登録商標(第5049965号)です。
WordPressロゴ、アイコンその他のマーク等はWordPress Foundation の商標であり、
WordPress Foundation の著作物です。
WordPress.comはWordPress Foundation が管理運営を行うドメインならびにサービスの名称です。
WordPress.com、WordPress.net、WordPress.org、WordPress.tv、
WordPressFoundation.orgはWordPress Foundationが
管理運営を行なう正式なトップレベルドメインであるとともに、
WordPress Foundationが運営を行うサービスの名称です。
wordpressはFree Software Foundation, Inc.によってGPL2+でライセンスされています。
関連記事
-
WordTwitの利用と導入(wordpressプラグイン)
Google or AdMax Promotion(it) 禁断の機能がau公式 …
-
WordPress開発で表示確認にはユニットテストデータを活用しよう
Google or AdMax Promotion(it) 禁断の機能がau公式 …
-
WordPressのコメント入力者の名前の横に表示される空白は何か
Google or AdMax Promotion(it) 禁断の機能がau公式 …
-
01.パブリサイズ共有の機能-Jetpack by WordPress.com
Google or AdMax Promotion(it) 禁断の機能がau公式 …
-
WP jQuery Lightboxで特定の投稿のみスライドショーが動かない場合の対処法
Google or AdMax Promotion(it) 禁断の機能がau公式 …
-
wordpressでテーブルタグの簡易作成方法
Google or AdMax Promotion(it) 禁断の機能がau公式 …
-
リンクをdivエリアでクリック可能にするHTML・CSSをさらにショートコード化
Google or AdMax Promotion(it) 禁断の機能がau公式 …
-
WordPressインストール後のパーマリンク設定
Google or AdMax Promotion(it) 禁断の機能がau公式 …
-
WordPress投稿本文中にTwitter™タイムライン(timeline)ウィジェットを表示する
Google or AdMax Promotion(it) 禁断の機能がau公式 …
-
wordpressプラグインのバージョン違いをテスト(動作確認)する方法
Google or AdMax Promotion(it) 禁断の機能がau公式 …