Google™AdSenseを自社のIPアドレスから表示で配信しない方法
2014/11/22
wordpressで運用されているサイトで、
「自社IPアドレスからのアクセスの場合にGoogle AdSenseを表示しない」といった
条件を指定して無効インプレッションを発生させないように、
Google AdSenseを設置する方法をご紹介します。
はじめに
自社でWebサービスをホストしていて、
Google™AdSenseの収益化プログラムを導入している際に、
自社の社員や関係者が自社のサービスを表示し、確認したりする場合にも、
Google AdSenseなどの無効インプレッションを発生させてしまう場合があります。
今回もGoogle+のコミュニティーにて以下の投稿に対して質問を頂きました。
Google™AdSenseを自サイトに貼った際の自己PV除外と運用
アルゴリズン – Google+ – Google™AdSenseで自己PVを発生させてはポリシー違反。分かってはいるけど、対応できない…
大変参考になりました。
一点質問なのですが、自分(管理者)が自己PVを発生させない方法はわかったのですが、同じ会社の社員が自己PVを発生させない方法はあるのでしょうか?
500人規模の会社なので、1台1台に設定をするのは厳しいです。。
analyticsでは自社IPからのカウントをしない設定にしております。
同じような設定ができるのでしょうか?引用: 秦野祐介 – Google+ 様
確かに大人数は厳しい
本投稿はこうした環境で自社の社員などによる無効PV発生を抑える方法をご紹介しています。
実際、こういうケースはあるだろうなとは思っていましたが、
自分自身には特に必要がなかったので気にしていませんでした。
こうした質問を頂くことで改めて「自分はどうする?」と考えるいい機会になりました。
単なる、自PV除外。
簡単にできそうで意外と奥が深いなと感じます。
ソース改変はしないスタンス
※実装方法としてwordpressのフルカスタマイズという方法は、あえて選択していません。
ソースを自社に合わせてカスタマイズすれば如何様にも対応は可能だと思います。
おそらく、多くの環境はフルカスタマイズによる実装が普通なのかもしれません。
ここでは、ソースやテーマの改変は行いません。
環境
- wordpress:3.5.1(推奨は3.5)
- 利用テーマ:Twenty Twelve
- PHP Code Widget: 2.2(プラグインオフィシャルサイト)
無効なクリックとインプレッション
Google AdSense広告表示は以下のAdSenseポリシーに準拠する必要があります。
無効なクリックとインプレッション
サイト運営者様が自分の広告をクリックしたり、手動や他の方法で表示回数やクリック数を作為的に増加させることは禁止されています。
Google 広告は、純粋な興味を抱いたユーザーによってクリックされるものでなければなりません。
Google 広告を作為的にクリックまたは表示する行為は固く禁止されています。
禁止されている行為としては、手作業による反復的なクリック/表示、クリック/表示を自動生成するツールの使用、
ロボットや不正なソフトウェアの使用などが挙げられますが、これらに限定されません。
自分の広告をクリックする行為は、どのような理由があっても禁止されています。
(引用:https://support.google.com/adsense/answer/48182?hl=ja|AdSense プログラム ポリシー)
対応策
個人としてサイトを運用している場合や、数名規模でサイトを運営しているのであれば、
Google™AdSenseを自サイトに貼った際の自己PV除外と運用 にてご紹介した、
導入方法やGoogle Publisher Toolbarのシークレットモード利用で、
ある程度は運用で回避できるものと考えて、ご紹介しました。
しかし、今回は500名規模です。
実際、運用のルールとして決めたとしても、おそらく各自のスキルも様々で、
システム担当者以外の社員もいるでしょう。
ルール側で回避するのは現実的には思えません。
ただし、この対策は現時点で私が思い浮かんだ回避方法であり、
必ずしもベストであるとは思っていません。
できることなら、wordpressに対して独自でスニペットを定義し、
wordpress自身にPHPコードを実行させる方がいい(eval非利用)と考えています。
実際には既に無効
実際のところは、GoogleAdSenseとGoogleAdWordsのシステム側で、
無効なインプレッションは同一IPからのアクセスとして自動的に排除され計上されているはずです。
Googleさんもそのようにおっしゃっています。
他のユーザーと同じコンピュータまたは IP アドレスを使用する場合があると思います。Google ではクリック行為を監視する方法についての情報を公開することはできませんが、サイト運営者様と広告主の双方の利益を保護するため、Google 広告のクリックと表示回数を常に監視し、AdSense プログラムが不正に利用されることのないよう努めています。アカウントの状態は詳細に監視されており、有効と見なされたクリックと表示回数の収益はこれまでどおりお客様のアカウントに集計されますので、ご安心ください。
ですので、極端なことを言えば、大きな問題にはならないのかもしれません。
しかし、プログラム ポリシーには禁止行為として掲載されています。
できる限りは遵守の努力はする必要があると考えます。
アクセス元IPアドレスで除外する方法
GoogleAdSenseのスクリプトコードはJavaScriptで提供されています。
その為、JavaScriptにて条件分岐を記述して、
表示するしないを切り替える方法も考えられます。
丁度、レスポンシブ広告ユニットに関する対応時のように、
スクリプトコードを認められた範囲内で一部変更し、広告サイズを切り替える方法です。
そうした方法で、配信しない処理に分岐させることも可能ではありそうです。
しかし、JavaScriptにてアクセスしてきたユーザーの
グローバルIPアドレスを取得するのは非常に面倒そうです(私はやる方法がぱっと浮かばない)
そこで、こうしたサーバーサイドに存在している情報を用いて処理を行う場合は、
PHPによる実装がスマートであると考えます。
PHP Code Widget の利用
PHP Code Widget プラグインはwordpressの使用できるウィジェットに対して、
PHPコードを直接記述することができるウィジェットを追加するプラグインです。
インストール方法については、以下でご紹介しています。
ウィジェットでのPHP実行にPHP Code Widget_v2.2-wordpressプラグインを利用
このウィジェットを利用することによって、
アクセスしてきたユーザーのIPアドレスに応じて、処理を分岐させることができるようになります。
GoogleAdSenseスクリプトコードの設定
では、実際にPHP Code Widgetを用いて、GoogleAdSenseのスクリプトコードを設定します。
※ここではサイドバーに対してGoogleAdSenseを設置する例をご紹介します。
ウィジェットを用いて投稿の前後挿入なども行えますので、この方法で応用が可能です。
WordPress投稿の前後にGoogle™AdSenseユニットを追加
PHP Code Widgetに以下のソースを貼り付けます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 |
<?php if ($_SERVER["REMOTE_ADDR"] == '106.188.138.151'): ?> <div class="gad"> <p>貴方のIPアドレスは<?php echo $_SERVER["REMOTE_ADDR"] ?>です</p> <p>Google AdSense Area</p> </div> <?php else: ?> <p>スポンサーサイト(<?php echo $_SERVER["REMOTE_ADDR"] ?>)</p> <div class="gad"> <script async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"></script> <!-- richOnly_200 --> <ins class="adsbygoogle" style="display:inline-block;width:200px;height:200px" data-ad-client="ca-pub-8700000000000016" data-ad-slot="7800000083"></ins> <script> (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); </script> </div> <?php endif; ?> |
また、便宜上以下のCSSを指定しています。
1 2 3 4 5 6 |
div.gad { width: 200px; height: 200px; background-color: #e6e6fa; text-align: center; } |
ブラウザからの表示
上記のウィジェットを利用して実際にGoogleAdSenseを表示してみます。
自IPからのアクセス(自社・関係者)
実際にブラウザから表示した際には、
条件に指定したIPアドレスからの要求の場合には、
以下のようにGoogleAdSenseのスクリプトコードを実行せず、
便宜上のダミーコードによる広告エリアを表示しています。
その他のIPからのアクセス(一般)
実際にブラウザから表示した際には、
条件に指定したIPアドレス以外からの要求の場合には、
通常通りGoogleAdSenseのスクリプトコードを実行し、広告表示を行います。
※なお、広告が単色表示なのは未利用広告ユニットを設置したこと、
および、テスト環境がrobots.txtにてブロックしている領域である為です。
このようにして、IPアドレスによって広告の配信、非配信を切り替えることで、
自社のネットワークから自サイトを表示した際には、
GoogleAdSenseの広告の表示を行わないように実装することができます。
問題点
こうした実装方法には以下の問題点があると考えています。
許容できるか否かは、それぞれの環境による為、なんとも言えません。
各自ご判断頂けたらと思います。
場合によっては500端末すべてに広告ブロックプラグインを
導入する選択肢も間違いではないと思います。
固定IPが必須
この実装方法の問題点は、何よりもグローバルIPが固定IPであるという前提になります。
企業であれば、VPN接続を利用したりといった外部からのアクセスも想定した、
ネットワークを構築されているでしょうから、固定IPを採用されているかもしれません。
そうした場合には問題はないと思いますが、少し敷居が高い環境かもしれません。
一切広告の確認が内部からできない
このIPによる配信停止手法では、
自社のネットワークからアクセスする限りは広告が表示されません。
その為、全社員や内部の関係者全体に適用が簡単な反面、
広告の品質管理といった部分でGoogle Publisher Toolbar用いての、
広告確認を行うこともできなくなってしまいます。
今回、広告の表示を確認した方法として、
スマートフォンを用いてUSBテザリング接続によるauキャリア接続を利用しました。
全く異なったネットワーク接続方法を別途用意することで確認することはできますが、
都度、接続するネットワークを切り替える必要があります。
開発規約等の確認
企業内でホストしているシステムなどにおいては、
開発規約やコーディング規約などで認められていない実装手法もあるでしょう。
この限りではありませんが、以下の点は確認の必要があるかもしれません。
自社のルールに基づいて実装可能か検討が必要かと思われます。
- オープンソースの利用を認めている(wordpressが可能なら可能)
- サードパーティーやフリーウエア・プラグインの導入を認めている
- PHPのコーディングにてeval()関数の利用を認めている
さいごに
今回、投稿させて頂いた内容に対しての貴重なご意見、ご質問を頂きましたことで、
確かに企業内でこうした無効インプレッションの除外方法は、
実際にはどのように回避しているのかという疑問が新たにできました。
実際固定IPであれば、特定IPからのインプレッションを無条件で除くように、
GoogleAdSenseのシステムが対応しているのかもしれません。
それで十分なのかもしれません。
実際のところはGoogleさんにしかわからないことです。
何より、私たちは変な疑いを受ける前に、
ビジネスパートナーとして自ら対応する必要があると思います。
Google™はGoogle Inc. の登録商標(第4478963号及び第4906016号)です。
GoogleロゴはGoogle Inc. の国際登録商標です。
国際登録番号:881006及び926052及び1086299及び1091990及び1145934
Google AdSense™,AdSense™はGoogle Inc. の登録商標(第4899412号)です。
WordPress™はWordPress Foundation の登録商標(第5049965号)です。
WordPressロゴ、アイコンその他のマーク等はWordPress Foundation の商標であり、
WordPress Foundation の著作物です。
WordPress.comはWordPress Foundation が管理運営を行うドメインならびにサービスの名称です。
WordPress.com、WordPress.net、WordPress.org、WordPress.tv、
WordPressFoundation.orgはWordPress Foundationが
管理運営を行なう正式なトップレベルドメインであるとともに、
WordPress Foundationが運営を行うサービスの名称です。
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