Google™AdSenseの配信が停止される原因の一つにサイトの言語設定があるのではないか
2014/11/22
Google™AdSesneをサイトに設置していて、
配信が停止されたといったケースは比較的多く耳にすることです。
原因は様々あるとは思いますが、言語環境の不一致という点も原因の一つなのではないかと思います。
はじめに
AdSenseが正しく配信されないという理由は、
いろいろとあるようでタグが適切に貼られていないなど初歩的なものもあります。
しかし、今回コミュニティーで出会った方の症状は少し違っている感じでしたので、
少し調べてみましたのでご紹介しておきます。
尚、本投稿は明確な回答が出ているわけではありません。
あくまでも推測で何かのヒントになればと思い作成しています。
言語環境不一致
今回、Google+にて1次審査通過後の2次審査インプレッションを開始した方で、
2次審査中に一定のインプレッションの発生があるにも関わらず、
広告の配信が行われてこないとの質問がされていました。
その方のURLを頂戴しまして、サイトを確認させて頂きました。
確認させて頂いたところ、
どうやら正しくAdSenseユニットは設置されているようですが配信が行われていません。
原因が分からない部分はありますが、この方のサイトで404URLエラーを発生させてみます。
すると、404エラーが韓国語のページとしてレスポンスされました。
※この404ページではChromeのエンコードをどう変更しても、文字化けがとなってしまいます。
この時点で何か言語判定ができていないように感じるという推測が行えます。
サイトの言語設定とは
これまで私はあまりサイトの言語設定は意識したことはありませんでしたが、
Google的にはサイトの言語環境について以下のように明記されています。
多地域、多言語のサイト – ウェブマスター ツール ヘルプ (抜粋引用)
ページの言語が明確にわかるようにする
Google では、ページの視覚的なコンテンツのみを使用してページの言語を判断します。
lang
属性のようなコードレベルの言語情報は使用しません。Google で言語を正しく判断できるように、各ページのコンテンツとナビゲーションには 1 つの言語を使用し、原文と訳文を一緒に表示することは避けてください。ページの定型文だけが翻訳されて、コンテンツの大部分が 1 つの言語だけのままになっていると(ユーザー作成コンテンツが含まれるページでよく見られます)、同じコンテンツが何度も、それぞれ異なる言語の定型文とともに表示されるため、ユーザーにとっては不便です。(中略)
サイト コンテンツのターゲットを特定の国に設定
サイトがターゲットにしている国を Google が把握できれば、この情報を使用して各国の検索結果の品質を向上させることができます。通常、Google では以下の要素を使用して、ウェブサイトがターゲットにしている国を判断します:
- ccTLDs(国別コード トップレベル ドメイン名): これらのドメイン名は特定の国に結び付けられているため(例: .de はドイツ、.cn は中国)、ユーザーと検索エンジンは、サイトが特定の国をターゲットにしていることをすぐに認識できます(国によっては制限があり、誰でも ccTLD を使用できるとは限らないため、ご注意ください)。また、Google はいくつかのバニティ ccTLD(.tv、.me など)も、gTLD として扱います。このようなドメインは、特定の国をターゲットとするものではなく「ジェネリック」とみなすユーザーやウェブマスターが多いからです(Google が gTLD として扱う ccTLD の完全な一覧はありません。そのような一覧の内容は時と共に変化するからです)。Google がジェネリックとして扱うすべてのドメインの一覧は、こちらをご覧ください。
- 地域ターゲットの設定: ウェブマスター ツールの地域ターゲット ツールを使用して、サイトが特定の国をターゲットにしていることを Google に示すことができます。この操作は、サイトで gTLD(ジェネリック トップレベル ドメイン名)を使用している場合にのみ行うことができます。ただし、サイトで複数の国をターゲットにしている場合はこのツールを使用しないでください。たとえば、モントリオールのレストランに関するサイトでカナダをターゲットに設定するのは問題ありませんが、フランス、カナダ、マリのフランス語を話すユーザーをターゲットとするサイトでは同じターゲットを設定しないようにしてください。
注: .eu、.asia などの地域 TLD は、1 つの国に固有のものではないため、Google は gTLD として扱います。地域ターゲットを設定できるドメインの一覧は、こちらをご覧ください。- サーバーの場所(サーバーの IP アドレスを使用): サーバーは物理的にユーザーの近くにある場合が多いため、サーバーの場所はサイトのターゲット ユーザーを判断する手がかりとなります。ウェブサイトは、分散 CDN(コンテンツ デリバリ ネットワーク)を使用している場合やウェブサーバー インフラの充実した国でホストされている場合があるため、サーバーの場所は信頼性の高い情報ではありません。
- その他の情報: サイトのターゲット ユーザーを判断するその他の手がかりには、ページに記載されている住所や電話番号、使用されている言語や通貨、他のローカル サイトからのリンク、Google プレイスの利用(利用できる場合)などがあります。
こうしてみてみると、最初はHTML側に記載されている言語指定が原因になっているのかと思いましたが、
HTMLによるlang属性などは利用していないと明記しています。
ことGoogleの多言語環境としての判定には。
HTMLによる言語指定
今回の方のサイトを確認すると、以下のようにHTMLに言語属性が出力されていませんでした。
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
<meta>charset出力なし
当サイトでのHTMLに言語属性は以下のようになっています。
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" lang="ja">
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=UTF-8">
しかし、指定がなくてもブラウザ自体も正しく日本語で表示されています。
これはUTF-8で記載されている為ではないかと思います。
ただ、エンコード文字コードの出力も行った方がいいのではないかと思うところです。
WordPressによるHTML言語指定の例
この出力はWordPressで言えば、wp-config.phpの設定で変更が行えます。
define(‘WPLANG’, ‘ja’);として設定した場合
<html lang=”ja”>としてHTMLが出力されます。
define(‘WPLANG’, ‘de_DE’);として設定した場合
<html lang=”de-DE”>としてHTMLが出力されます。
別途、de_DE.moなどインストールは必要です。
(参考)WordPress を他の言語で使う – WordPress Codex 日本語版
ここは変更が行えるといった程度でいいでしょう。
Googleの言語判断に利用する情報を一つずつ確認していきます。
ccTLDs指定
ドメインによる言語指定という点では、
当サイトではjpドメインでありそれだけで日本のサイトだとGoogleに伝えることができています。
この方のドメインでは.comドメインによって運用されていますので、
ドメインからの国が判定できていない状態であることが疑われます。
こうした場合に利用できるのが上記ヘルプにある地域別ターゲットツールです。
地域ターゲットの設定
地域別ターゲットツールはWebMastersToolsにて利用が行えます。
WebMastersToolsを開きサイトを選択した状態で右上の歯車マークから[サイト設定]を選択します。
.jpドメインで「地域ターゲット」を確認した場合には、
無条件で既に日本が設定されており、設定を変更する項目は表示されません。
お客様のサイトで汎用的なトップレベル ドメイン(.com、.org など)が使用されている場合は、地域ターゲティングの情報を基に Google では検索結果へのお客様サイトの表示方法を決定できます。地域ターゲティングにより、地域に関連する検索結果の精度も向上します。お客様のサイトを特定の地域に関連付けたくない場合は、[指定なし] を選択してください。 地域ターゲティングについてはこちらをご覧ください。
.com、.orgドメインではターゲッティング設定を行うことができるようなので、
comドメインで表示を確認すると確かに国の選択が行えるようになります。
こうして、ウェブマスターツールを利用して、サイトの国指定を行うことができるようです。
サイトの判断が正しく行われない場合には、この設定で明示することも一つの方策と言えます。
サーバーの場所(サーバーの IP アドレスを使用)
サーバーの場所という意味では、ドメインを割り当てているサーバーのIPアドレスから判断することができます。
当サイトのIPアドレスを取得します。
IPアドレスが取得できたら以下のサイトで該当の国名を確認します。
IP アドレス割当先国/地域検索 – 国/地域別 IP アドレス割り当てリスト – fetus
IPアドレスを入力し[検索]をクリックします。
判定結果が表示され「国/地域 JP: Japan(日本)」 と表示されています。
尚、今回の方のIPアドレスを確認すると、
「KR:Korea,Republic of(大韓民国)」として表示されました。
サーバーの設置場所はレンタルサーバーの地域ですし、
変更は容易ではありませんのでこれはこれで仕方のないことです。
そういう意味でウェブマスターツールでの国名主張をする仕組みがあるのでしょう。
その他の情報
その他の情報は手がかりとして利用される場合もあるといった部分で、
あくまでも補足として利用されるのでしょう。
サイトのターゲット ユーザーを判断するその他の手がかりには、ページに記載されている住所や電話番号、使用されている言語や通貨、他のローカル サイトからのリンク、Google プレイスの利用(利用できる場合)などがあります。
AdSenseと言語(国)の関係
AdSenseでは管理画面で「表示言語」と「タイムゾーン」の指定は行えるものの、
サイトに対しての言語の制約は特にありません。
AdSense管理画面の右上歯車マークをクリックし[設定]をクリックします。
表示言語設定
表示言語設定はサイドバー[アカウント]-[個人設定]をクリックし表示される「表示言語」から設定します。
表示言語の設定はサイトの言語設定とは関係ないことがヘルプに表示されます。
表示言語
アカウントで使用する言語です。アカウントはこの言語で表示され、Google からの連絡はこの言語で行われます。 ウェブサイトと異なる言語を指定することもできます。
タイムゾーン設定
タイムゾーンの設定はサイドバー[アカウント]-[アカウント情報]で確認できます。
しかし、ここもレポートのパフォーマンスレポート上での日付に利用されるだけです。
タイムゾーンを変更すると、本日より AdSense アカウントのパフォーマンス レポートに影響します。なお、お支払い情報は太平洋時間のままとなります。
こうして見てみるとAdSenseは国や言語には影響を受けないようです。
AdSenseポリシーの確認
AdSenseポリシーでは以下のような記載があります。
AdSense プログラム ポリシー – AdSense ヘルプ(抜粋)
コンテンツ ガイドライン
(略)
また、主なコンテンツで AdSense 未対応の言語が使われているページに AdSense コードを配置することは許可されません。
サポートされている言語は以下で確認できます。
AdSense でサポートされている言語 – AdSense ヘルプ (抜粋)
Google AdSense はさまざまな言語のサイト運営者様にご利用いただけます。コンテンツの主要言語が次のいずれかであれば、お申し込みいただけます。
アラビア語 ドイツ語 ポルトガル語 ブルガリア語 ギリシャ語 ルーマニア語 中国語(簡体) ヘブライ語 ロシア語 中国語(繁体) ハンガリー語 セルビア語 クロアチア語 インドネシア語 スロバキア語 チェコ語 イタリア語 スロベニア語 * デンマーク語 日本語 スペイン語 オランダ語 韓国語 スウェーデン語 英語 ラトビア語 タイ語 エストニア語 * リトアニア語 トルコ語 フィンランド語 ポーランド語 ウクライナ語 フランス語 ノルウェー語 ベトナム語
よって、対応言語であれば特に問題がなく広告配信がされると言えます。
今回の方で言えば、誤って韓国語として判断されていたとしても、
AdSenseポリシー上は問題がないといえます。
配信されない原因の推測
これまで確認をしてきた点から配信されない理由は、
単純に言語(国)環境が韓国語として判断されている状態で、
実際に記述されているコンテンツがすべて日本語である為、
表示可能な広告が存在しない状態となりコンテンツマッチできていないのではないかと考えられます。
多言語環境の場合
とは言え、日本語のサイト(WMT指定やIP判定などで)でも英語版のコンテンツを配信することもあります。
そうした場合に正しくコンテンツマッチできずAdSenseの配信ができないのでは非常に不便です。
そうした場合にはサイト構成を多言語対応のURLの形式などで提供することで、
言語環境を提供するべきであると言っています。
多地域、多言語のサイト – ウェブマスター ツール ヘルプ (抜粋引用)
URL 構造
サイトの各ページを異なる地域に簡単にターゲット設定できる URL 構造を使用するようにしてください。使用できるオプションは次の表をご覧ください:
URL 構造 例 長所 短所 ccTLD example.ie
- 地域ターゲットの設定が明確
- サーバーの場所に依存しない
- サイトの分割が簡単
- 高価(利用が制限される場合もある)
- より多くのインフラが必要
- ccTLD 要件が厳しい(一部)
gTLD を使用したサブドメイン de.example.com
- 設定が簡単
- ウェブマスター ツールの地域ターゲット設定を使用できる
- 複数の場所のサーバーを使用できる
- サイトの分割が簡単
- ユーザーは URL だけから地域ターゲット設定を認識できない場合がある(例: 「de」が言語なのか国なのかが不明)
gTLD を使用したサブディレクトリ example.com/de/
- 設定が簡単
- ウェブマスター ツールの地域ターゲット設定を使用できる
- 管理しやすい(ホストが同じ)
- ユーザーは URL だけから地域ターゲット設定を認識できない場合がある
- サーバーの場所は 1 か所のみ
- サイトの分割が難しい
URL パラメータ site.com?loc=de
- 非推奨
- URL ベースの分割が難しい
- ユーザーは URL だけから地域ターゲット設定を認識できない場合がある
- ウェブマスター ツールの地域ターゲット設定を使用できない
地域ターゲットの設定は誤ることもあるため、サイトの「間違った」ページにアクセスしたユーザーを考慮することが重要です。地域や言語を選択できるリンクをすべてのページに表示することも 1 つの方法です。
Googleのヘルプなどで言語を切り替えて表示するとしっかりとHTML側にも言語指定が出力されています。
こうした基準に合わせて、URLはパラメータ形式でURLを構成し、かつ
HTML側にも対象言語が出力されています。
日本語
https://support.google.com/webmasters/answer/182192?hl=ja
<html class=”hcfe google” lang=”ja”>
韓国語
https://support.google.com/webmasters/answer/182192?hl=ko
<html class=”hcfe google” lang=”ko”>
対策
今回パターンとしてAdSense広告が配信されない原因に対応を行うとするならば以下が考えられます。
- <html>に対して適切に言語指定を出力する。
- <meta http-equiv=”Content-Type” content=”text/html; charset=UTF-8″>などのエンコード出力を行う
- ウェブマスターツールで「日本語」環境であることを明確に指定する。
- 多言語環境である場合はURLまたはドメインなどで対象言語をURLに含ませる
何はともあれ、<html>に対してlang=”XX”の出力がされていない点が大きいように感じます。
備考
尚、今回の方のサイトの場合で言えば、
ログインが必要なコンテンツを含まれている部分もあるかもしれませんので、
ログイン先のコンテンツがAdSenseのクローラが
アクセスできるように設定されていることも必要になる場合もあります。
ログインが必要なページに広告を表示する – AdSense ヘルプ
さいごに
.comドメインと海外のレンタルサーバを利用した場合には、
こういう落とし穴もあるのかというちょっとした勉強になりました。
どこかでまた役に立つこともあるかもしれないと思う今です。
参考
SQLTIP – 日本最大SQL SERVER情報コミュニティー (移転)
INNOYA.COM – 日本最大SQL SERVER情報コミュニティー
Google™はGoogle Inc. の登録商標(第4478963号及び第4906016号)です。
GoogleロゴはGoogle Inc. の国際登録商標です。
国際登録番号:881006及び926052及び1086299及び1091990及び1145934
Google AdSense™,AdSense™はGoogle Inc. の登録商標(第4899412号)です。
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